※ 本ページにはプロモーションが含まれています

はじまりの季節 — 第18話

【35歳・オタクの業】オタク婚活30代の残酷な年収フィルター|オソコイ 30代の恋愛体験ストーリー

3分

主人公: 35歳 / 事務職

婚活市場オタクありのまま30代

資本主義という名の婚活市場

スマートフォンの画面に表示された「条件に一致するお相手はいません」という冷たい文字を見て、35歳の事務職、裕太は深くため息をついた。

マッチングアプリの世界は、残酷なほどに資本主義的だ。 年収、身長、年齢、学歴。人間性は後回しにされ、まずは画面上の数字だけでシビアに足切り(フィルター)をされる。裕太のような「35歳・平凡な年収・目立たない容姿」の男は、女性の検索結果の片隅にすら表示されない。

「どうせ俺なんか、市場価値ゼロの不良債権みたいなもんだよな」

自虐的に呟きながら、裕太は自分のプロフィール画面を開いた。 そこには、少しでも女性ウケを良くしようと必死に捻り出した「趣味:映画鑑賞、休日はカフェ巡り」という嘘が並んでいた。 本当の裕太は、休日は一日中家でマイナーなシミュレーションゲームをやり込み、古いロボットアニメの配信を見るのが至福の時間という、筋金入りのオタクだった。

先月、奇跡的にマッチングした女性とカフェでお茶をした時、映画の話を振られて冷や汗をかいた。必死にネットであらすじを読んだだけの映画の話はすぐに底が割れ、気まずい沈黙の末にフェードアウトされた。

「もう疲れた。嘘をついて自分を安売りするのは、もう限界だ」

隠しきれない業(カルマ)

裕太は、やけっぱちになってプロフィールの編集画面を開いた。

「趣味:映画鑑賞」を消去。代わりに「趣味:シミュレーションゲーム、深夜アニメ視聴、プラモデル制作」と書き込んだ。 自己紹介文も、「休日はアクティブに外に出ます」という嘘を消し、「休日は基本的に家から一歩も出ず、ゲームをして過ごしています。最近は〇〇という古いロボットアニメを全話見返しました」と、自分の隠しきれない業(カルマ)をすべて書き連ねた。

「これで誰からも『いいね』が来なくなったら、スッパリ退会しよう」 ある種の清々しさを感じながら、裕太はスマートフォンをベッドに放り投げた。 どうせ、自分みたいなオタクを受け入れてくれる女性なんて、この婚活市場には存在しないのだ。

嘘のない世界

3日後の夜。仕事から帰り、退会手続きをしようとアプリを開いた裕太の目に、信じられない表示が飛び込んできた。

『1件のいいね!が届いています』

目を疑いながら相手のプロフィールを開く。 そこにいたのは、33歳の医療事務をしている女性だった。 自己紹介文を読んで、裕太は思わず声を出して笑ってしまった。

『実は私も、婚活用の無難なプロフィールを書くのに疲れてしまいました。休日は外に出ず、ずっと〇〇(裕太が書いたのと同じロボットアニメ)などのアニメを見たり、ゲームをしたりして過ごしています。裕太さんのプロフィールを読んで、とても正直で素敵な方だと思い、思わずいいねをしてしまいました』

裕太は、震える指ですぐに「ありがとう」を返し、メッセージを送った。 『はじめまして! 〇〇が好きなんですか? 僕も先週、最終話で泣いたところです』

返信は数分で返ってきた。そこからは、カフェ巡りや流行りの映画の知識なんて一切必要のない、濃密でオタク全開の楽しいやり取りが続いた。 文字を打つ裕太の顔には、このアプリに登録して以来、初めての自然な笑顔が浮かんでいた。

年収や身長という残酷なフィルターに弾かれ、自分を偽り続けた婚活市場。 しかし、その偽りの仮面をかなぐり捨てた時、そこには確かに「ありのままの自分」を見つけてくれる人がいた。 裕太は、週末に彼女と通話しながら一緒にオンラインゲームをする約束を取り付け、心からゲームの電源を入れた。

30秒でわかる!
あなたの「オソコイ(遅恋)タイプ」診断

いくつかの質問に答えるだけで、あなたの恋愛が遅れた原因を分析し、一番共感できる「あなた向けのストーリー」を診断します。

Q1 / 3

読み込み中...